購買プロセスに対応した施策 ②「リード獲得」の特徴を知ろう

BtoBマーケティングで考慮するべき購買プロセスとは?

BtoBでは、自社の商品やサービスを使うことで課題が解決されることや、コストが削減されるなどのメリットを客観的に示して決裁権を持つ人を納得させる必要があります。そこで、顧客の購買プロセスを考慮して、各段階に応じた施策を行うことが重要になります。

顧客の購買プロセスは大きく4つに分けることができます。そして、それぞれに対して行う施策は、以下の通りです。

① 集客 → ② リード獲得 → ③ リード育成 → ④ クロージング

各購買プロセスでは顧客の行動や購買意欲の度合が異なります。自社の商品やサービスの良さをどの段階でどのように顧客に伝えれば商談に結び付けられるかを検討して、顧客アプローチを行っていきます。

2つ目の施策「リード獲得」の特徴とは?

マーケティングにおける4つの購買プロセスに対する施策の1つ目「集客」で認知してもらった見込み客に対してさらに興味を持ってもらうための施策を行い、今後商談に結び付く可能性があるリードを見い出すのが2つ目の施策「リード獲得」です。 

リードとは?

もともとリード(Lead)には、「先導する」「案内する」「きっかけ」「手がかり」などの意味があります。マーケティングでは、自社の顧客になってもらうための「きっかけ」や「手がかり」を作るための施策を行いますが、その中で今後顧客になる可能性が高い見込み客のことをリードと呼んでいます。

一般に見込み客とリードはほぼ同じ意味で使われますが、 見込みの度合いが低いものから高くなる順に、コールドリード、ウォームリード、ホットリード、と呼ぶこともあり、ここでは集客によって認知した中でも、今後顧客になる可能性がある見込み客をリードとしてお話します。

自社を認知した後にどんな行動をした見込み客をリードとみなすのかは、業界や業種によって異なるため、事前に社内で定義しておくことが大切です。 その定義によって施策の内容も変わってくるからです。また、オンライン広告からサイトに訪れた見込み客と、展示会で直接営業と会話をした見込み客とでは、当然興味の度合いが違います。つまり、集客方法によっても見込み客の購買意欲には差が生じます。 そこで、どのように認知して、どんな行動をしたのか、といった情報から多角的に分析し、それぞれに合わせたアプローチをすることが重要なのです。

「リード獲得」のための施策とは?

自社を認知をして、もっと知りたいと思った見込み客は自ら、WEBサイトを訪問したり、企業情報を調べるなどの行動を取ります。そうした行動を起こした見込み客に自社の商品やサービスについて、もっと知ってもらうための施策を行い、リードとして獲得します。

主な施策

  • オウンドメディア運営の充実
  • ホワイトペーパーの作成 など 

① オウンドメディア運営の充実

獲得したリードを育成するため、オウンドメディアで自社の商品やサービスに関する記事や動画を作成して公開し、潜在層に限らずあらゆる見込み客の層に対して情報を発信する手法はコンテンツマーケティングと呼ばれます。

こうしたコンテンツは、自社がどういう会社かはもちろん、商品やサービスの購入メリットや役に立つ情報を知ることができたり、購入後のイメージや使い方を想像できるようにすることで、見込み客に安心感や魅力を感じてもらえるものにする必要があります。そして、もっと知りたいと思った見込み客に資料請求を促し、資料をダウンロードしてもらえればリードの獲得につながります。

リード獲得を継続して増やしていくには、見込み客の行動やニーズなどの情報を把握し、常に分析や改善を繰り返しながら、自社サイトのコンテンツを充実させ続けなければなりません。そして充実したコンテンツが蓄積されれば自社の財産となります。

近年は情報収集をするのにインターネット検索の利用が多いため、有益なコンテンツを発信して自社サイトへの流入を増やすことで、リードを獲得につなげることができます。そこで、SEO対策を行うことで自社サイトが検索結果の上位に表示されるようになるなど、検索時の露出を増やすことで、潜在顧客の流入も期待できます。

②ホワイトペーパーの作成

一般的にホワイトペーパーとは白書、つまり政府が作成する実況報告書を指す言葉です。近年のビジネス業界では、主に企業のサイトからダウンロードできる読み物や資料を配布するマーケティング施策としてホワイトペーパーが使われるようになりました。

ホワイトペーパーは、リードの獲得、リードナーチャリング、商談時の営業資料にまで活用することができます。

ホワイトペーパーを読んだ人にとって、役に立つ知識や情報が得られて満足できれば、そうしたお得な情報を無料で手に入れられたことで、配布している企業に対して少し興味が沸き、好感度も上がるかもしれません。

ホワイトペーパーの種類

ホワイトペーパーには様々ありますが、主に以下のものが挙げられます。

  • 自社商品やサービスに関連したビジネス上の課題解決法/テクニックの伝授
  • 自社商品やサービス利用者の事例紹介
  • ビジネス業界のトレンド情報やビジネス用語のまとめ
  • 自社が行った調査レポート/アンケート結果
  • 自社商品やサービスのプレゼン用資料

ホワイトペーパーの作り方

ホワイトペーパーを作成する方法に決まりはありませんが、一般的な手順は以下のようになります。

  1. ターゲットの設定(訴求したいターゲットでペルソナを立てる)
  2. 内容の決定(ターゲットが求めるであろう情報を取り上げる)
  3. 構成を決定(一般的に6~20ページ程度が目安)
  4. テキストを作る(わかりやすい文章で図表やグラフをつける)
  5. デザインを盛り込む

ホワイトペーパーのよくあるテンプレート

ホワイトペーパーの構成も決まっているわけではありませんが、以下のような構成になっていることが多いです。

  1. 表紙
  2. ホワイトペーパーの目的・狙い
  3. 目次
  4. 本文(とりあげる課題の確認→分析→解決方法)
  5. 自社および自社商品やサービスの概要
  6. 問い合わせ先

ホワイトペーパーの活用方法

多くの場合、ホワイトペーパーをPDFファイル化し、自社サイトでダウンロードができるように設置します。その際、サイトの訪問者が自分の氏名や会社名、メールアドレスなどを登録するためのダウンロードフォームも設置してリード情報を獲得できるようにします。また、より多くの人を誘導するため、ホワイトペーパー公開を告知するメールマガジンを配布したり、SNSでメッセージを発信する方法もよく用いられます。

「集客」の施策を「リード獲得」と組み合わせて使う

集客の施策は潜在顧客の掘り起こしから認知して少し興味がある段階の準顕在顧客の層に効果が狙える手法を使いますが、リード顧客の施策としても効果が得られます。例えば、リード獲得するための詳細な情報を盛り込んだホワイトペーパーを用意しても、それを配布する手段がなければ効果を発揮できません。

また、コンテンツマーケティングは幅広い層からのサイト流入を見込めますが、サイトに訪問した見込み客が知りたい情報を得られなければ、リード獲得には至りません。

このように、集客とリード獲得の施策は切り離して考えるより、組み合わせることでより効果を期待できる面もあります。

CRMなら段階的に効果的なアプローチできる!

こうした手法を使って手に入れたリードの情報を管理する手段が必要になります。Excelなどの表計算ソフトでも管理できますが、社内でリード情報を共有して連携することで精密なアプローチを実現し、成果に結び付けるためには、CRMを利用するのが最適です。

CRMには、自社サイトを連携させると、問い合わせや資料ダウンロードをしたリード情報を自動的にCRMに登録する仕組みが備わっているものが多くあります。CRMを活用してマーケティング活動にかかるムダな時間を削減し、効率よく顧客を獲得してコンバージョンに導きましょう。


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