CRMの導入が失敗するケースとは?

導入失敗の事例から学ぶ!

せっかくCRMを導入しても失敗してしまうことがあるようです。
そもそもなぜCRMを導入するのでしょう?

かつては大量生産して大量消費するいわゆるマスマーケティングの時代で、テレビコマーシャルなどで一斉に宣伝して売り出しさえすれば、消費者の方が反応して購入してくれるという構図がありました。

しかし、バブル崩壊後はそれまでの手法は通用しなくなり、さらにインターネットの普及によりマーケティングをめぐる状況は大きく様変わりしました。消費者は求める商品やサービスに関する情報を自ら集めて吟味できるようになったことで、より他社との差別化や独自性が求められるようになっています。そうした背景から、顧客一人ひとりに対する信頼関係を構築して、長期的に購入してもらうための仕組みが必要になってきました。その中で注目されているITツールがCRM(顧客管理システム)なのです。

CRMは1990年初め頃に日本に入ってきた頃にちょっとしたブームになりました。しかし、海外から入ってきたCRMは日本の企業にとって現実とのギャップが大きく、ブームは長く続きませんでした。その後30年近く経ち、IT技術の進歩とともにCRMも進化してきました。CRMを導入して業績を上げている企業は多くありますが、その一方で、導入に失敗してしまう例もよく聞かれます。つまづきの原因はどこにあるのでしょうか?

CRM導入失敗の原因は?

よく聞かれるのが、CRMさえ導入すれば運用するだけで課題が解決して収益が上がるだろう、というITツールに頼る考え方から、勢いに乗ってとりあえず導入したというケースです。そういう姿勢で導入する場合、明確な顧客戦略や具体的な活用方法が決まっていないことが多く、この状態でCRMを導入しても利点を十分に引き出せない可能性があります。

CRMを導入したものの活用できていない企業は、具体的には以下のような状況に陥っているケースが多いようです。

  • 導入目的が曖昧になり効果があったのかもわからない
  • 入力データが正確でなく分析結果が営業戦略に活かせない
  • 業務負担が増えて現場のモチベーションが下がってしまった
  • 導入・運用にかかったコストに見合う収益が得られていない

これらには、どのような原因があるのでしょうか?

トップの方針が社員に伝わっていない

経営陣がいくらCRMが必要だと考えて導入しても、実際に運用するのはあくまでも現場の社員だということ。CRMの必要性が伝わっていなければ定着させることは困難です。

部門間の運用調整ができない

企業は、営業や総務、製造、広報など部門ごとの機能で運営が維持されており、それぞれ方針も異なります。CRMは全社的な取り組みになるため、部門ごとにおける運用の違いを調整することが必要になります。しかし、調整が可能な立場の人材がいなければ全社的な意識統一が難しく、そういう状況ではCRMの運用も上手くいきません。

導入目的が不明確になっている

導入目的が明確でないまま導入すると、既存の社内ルールをCRMに当てはめてしまうなど、CRMを無理やり使うことになりかねません。その結果、現場の業務とズレが生じ混乱を招くことも考えられます。導入目的が曖昧になっているとスタート地点が定まらない上、費用対効果の検証も困難になります。

導入前の分析ができていない

CRMを新しく導入するには、自社に必要かどうか事前に業務分析や整理を行う必要がありますが、導入時にかかるコストの予算を十分に取れなかったり、社内の理解をなかなか得られない中で、この過程を重要視せず導入を急いでしまうケースがあります。

入力されるデータが正確でない

CRMを導入する際、運用ルールをCRMに合わせてしまうケースがあります。その場合、現場で混乱が生じたり、導入前よりも業務負担が増えてしまい、その結果CRMに正しくデータ入力されず、CRMの力が発揮されません。

部門ごとの運用で定着してしまった

CRMを全社的なものとしてではなく、部門ごとで運用できればよいという考え方の企業もあります。そもそもCRMは全社で情報を共有することで威力が発揮されます。CRMの運用が部門ごとに終始してしまえば、部門間のやり取り時などにズレを招く恐れがあり、導入効果も期待できません。

分析方法が明確でない

CRMに顧客情報を十分に蓄積できても、データをどう活用するかが不透明な状態では分析方法も定まらず、せっかくのCRMのデータや機能も宝の持ち腐れになってしまいます。

円滑に運用できない

担当者のスキルが不足しているとCRMを導入しても円滑に運用することができません。CRMの導入時には社内教育を行い、運用開始後もフォローする体制作りが大切です。

失敗しないためにどう対策するか?

そこで、具体的に対策するポイントを見てみましょう。

ポイント1.自社が取り組むべき顧客戦略を明確にする

CRMは顧客との関係を管理するツールです。顧客満足度を向上させるには自社の商品やサービスで何ができるのかということを、しっかり検討することが重要です。顧客の要望にどの程度まで応えれば自社の売上向上につながるのか、そのボーダーラインを決めるには十分な分析が必要となります。それには、CRMで蓄積されるデータが重要になってきます。

そうしたCRM導入効果を考慮した上で、CRMにどのくらいコストがかけられるかという点や、サービスの方向性を検討することで自社が取り組むべき顧客戦略が見えてきます。

ポイント2.導入目的を明確にして現状の運用との相違点を把握する

CRMは目的を持って活用してこそ有効なシステムだということを念頭に、導入を検討することがポイントです。目的と現状がかけ離れている場合、現在の業務自体を改善する必要も出てきます。

例えば、顧客満足度向上、売上拡大、営業効率化のようにCRMの導入目的が明確であれば、その目的に沿って現状の運用の課題を見いだし業務の改善を検討することができます。そして、その目的を現場にも共有することで全社的に意識を同じ方向に向けることができ、運用も上手くいくようになります。

ポイント3.スムーズに正しく運用できる体制を作る

CRMを導入することを社内にアナウンスして、円滑に運用できるよう教育やフォローなど、社員のモチベーションを向上させる体制作りが大切です。

担当者がスキルを身に着けたり、マニュアルの整備やフォロー体制を整えることで、現場でのデータ入力の負担を改善したり、入力漏れやミスを減らすことができれば、CRMにデータを正しく入力してもらえるようになります。その結果CRMのデータが正確なものになり、分析結果などを経営戦略に活かすなどCRMの利用価値が上がります。


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