情報発信を効果的に行うには?

知らない人が多かったのはなぜ?

先日、ある会に参加しました。その来賓の挨拶の中で、自分が住む県の事業で配布されているクーポン企画の話がありました。県内の理容室、美容室、クリーニング店、公衆浴場で使えるクーポンを申請すればもらえるというものでした。さっそく自分用に申請して、知人にも「こんなのあるよ!」とメールで知らせました。10人ほどに送ったのですが、知っていたのは1人だけでした。 しかも、その人も行きつけの床屋で教えてもらって知ったそうなのです。

このクーポン企画は1次募集をしたところ予定の半分程度しか申請がなく、申請期間が延長されていました。よくある「5,000円で8,000円分のプレミアム商品券が購入できる」などの企画だとすぐに売り切れてしまうのに、ただ申請するだけでもらえるにもかかわらずまだ残っているとは少し驚きました。 

このキャンペーンを紹介していた来賓の市議会議員も「周知が不足していた」という認識をしていたようです。しかし、情報の周知が足りないから応募数が伸びないのでしょうか。調べてみると、県のホームページや広報誌、県内のいくつかの市の各ホームページ、美容組合や利用対象店舗のホームページにはお知らせが掲載され、県内のある商工会議所のホームページでは賛同店募集の案内が掲載されていました。さらに、県のTwitterとFacebookなどのSNSでも配信されている他、中日新聞や毎日新聞のデジタルニュースでもお知らせが掲載されていました。 このように、一通り考えられる方法で告知されていることが確認できたので、単に周知不足が原因というわけではなさそうです。しかし、実際に応募につながっていないということは、必要とする人に必要な情報が伝わっていないということで、それでは意味がないと感じました。では、情報が伝わっていない原因はどこにあるのでしょう?

情報発信をするポイントとは?

まず情報発信をする際に抑えておくべきポイントはどこでしょう。

情報発信をする媒体はいろいろありますが、大きく3つに分けられます。 

  • マスメディア :大衆向けに発信される媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビなど) 
  • WEBメディア:インターネット上で何らかの情報を発信しているサイト
    (ニュースサイト、コーポレイトサイト、ポータルサイト、キュレーションサイトなど)
  • ソーシャルメディア:ユーザー同士が相互にコミュニケーションを取る事で
    情報の共有や情報の拡散が生まれる媒体(FacebookやTwitterなどのSNS、
    Q&Aサイト、口コミサイト、動画共有サイトなど)

先程のクーポン企画でも、この3種類全ての媒体を使って情報発信をしていました。これらの媒体を効果的に使うためには、まず情報発信を始める前にやることがあります。それは、情報発信をする目的が何なのかを始めに決めることです。

では、この3種類のうちWEBメディアを例に考えてみましょう。

多くの企業は自社のWEBサイトを公開していますが、その目的は何でしょうか?「ホームページさえ作れば、新規顧客が勝手にやってくる」という幻想を抱き、そして、結局期待したような集客ができず幻滅していく・・・といったケースが多く見受けられます。その要因は、ホームページを設置する目的が明確に定まっていないことにあると考えられます。 

ホームページを設置する場合、それによって顧客との関係をいかに築いていくが重要になります。そこで、顧客が商品やサービスを購入するに至るまでと、その後の関係を構築する流れを想定してみましょう。

(顧客が)自社の商品やサービスを認知する ⇒ 興味が出る ⇒ 他社と比較検討する ⇒ 購入する ⇒ 利用する ⇒ 満足する ⇒ ファンになる 

この流れの中でホームページが役割を担えるのはどこでしょうか?どこを担うかによって、ホームページによる情報発信の方法が異なってきます。つまり、期待する役割が決まっていないと何のためにホームページを設置して運用すればよいかがわからなくなってしまいます。したがって、この期待する役割がホームページを設置する目的になってきます。そして、目的が明確でなければとるべき行動も定まらず、そんな状態では成果も上がらず、やがて放置されてしまいます。更新されず放置されていると思われるホームページをよく見かけますが、おそらく明確な目的がないまま設置されたことが想像できます。 

情報発信の目的に合った方法をとる

目的を決めることが重要だということがわかりましたが、では、目的はどうやって立てたらよいのでしょうか。 それは、情報発信をして相手にどうして欲しいのか?を考えます。例えば、相手に「知ってもらう」のか「買ってもらう」のかで情報発信をする手法が異なってきます。 

知ってもらうためには 

とにかく自社の商品やサービスを知って欲しいのであれば、顧客に告知を見つけてもらう必要があります。 顧客が検索するキーワードで自社のホームページを表示させるには、主に2つの方法があります。 

  • 検索エンジンへの最適化(SEO):特定キーワードで上位を狙う 
  • 検索連動広告(リスティング広告):キーワードに対して広告を表示する
    ※潜在ニーズに対してはバナー広告もあり 

他にもSNS広告などを活用するのも1つの方法です。 

買ってもらうためには 

自社の商品やサービスを買ってもらうためには、その価値を訴求しなくてはなりません。 商品やサービスを手に入れることで顧客のニーズが満たされたり、悩みが解決したりすることを伝えなければなりません。

また、顧客が認知して興味を持ち、他の商品やサービスと比較するところまで順調に段階が進んでいるのであれば、次の購入段階でスムーズに手続きできるようにすることが重要です。 せっかく興味を持って買おうとしても、購入手順がややこしくて購入ページから離脱してしまうケースも見受けられます。ホームページ上で決済まで進めてもらうには、スムーズに決済できる仕組みを構築しなければなりません。 

目的によって指標も変わる

このように目的によってやるべきことは異なってくるため、その目的に対する成果を判断する指標も変わってきます。 

知ってもらうことが目的の場合

キーワードに特化した記事を作成して、検索結果の上位を狙う「SEO対策」をするために、以下のような指標を基準にします。

  • 検索順位:検索した時何位に表示されるか
  • クリック数・率:検索結果に表示された後、どれだけクリックされたか
  • ページビュー(PV):どれだけ読まれたか 

買ってもらうことが目的の場合

購入や問い合わせしてもらうための対策をし、以下のような指標を基準にします。 

  • 商品・サービスや問い合わせページの表示数:PV 
  • 上記ページへの流入元・数:どこから、どれだけお客様が来たのか 
  • 購入・問い合わせの件数・率:CV 

これらの指標を基準に、次にどのような行動をとるのか計画を立てます。指標を見て判断することで今までの行動を振り返り、その結果を次の行動に活かすことができます。 これは情報発信の目的が決まっていることで可能になることです。 

このように目的を決めずにとりあえず動き出すのではなく、まずは目的をしっかりと定めることが重要だということがわかります。 

情報発信のコツとは?

さらに、情報発信をするにはコツがあります。 それは「誰に、何を、なぜ、どのようにして伝えるか」を考えることです。 発信する対象者(ターゲット)を属性などで分類し、その分類ごとに情報発信の内容や手段を変えることがポイントです。発信する手段は、新聞報道、ラジオ、町内掲示板・広報誌、ホームページ・SNS、チラシ・ポスター、会報誌・メルマガなどがあり、それぞれ目的とターゲットに合わせて手段を選択します。 

次に、初めての顧客か、ある程度知っている顧客か、などのターゲットごとに押さえるポイントがあります。 

初めての顧客向き 

  • 媒体は、広く一般の方が目に触れやすい場所に設置する 
  • 内容はわかりやすさを重視する 
  • 情報は多く盛り込まずホームページなどへ誘導する 

より深く知りたい顧客向き 

  • 情報を誰もがいつでも取りだせるようホームページを整備しておく 
  • 団体のミッションやビジョンなどの基本計画をまとめて、いつでも説明できるようにしておく 
  • 団体の活動に気軽に参加できる役割を用意しておく 

ターゲットの行動を推測して改善する

これまで見てきたように、情報発信は単に発信するだけではなく、目的を持って相手にメリットを伝えられるようにするのが効果的です。発信した情報が相手にどこまで伝わっているのか?そして、情報を受け取った相手が申し込みを躊躇しているならそれは何か?といった情報発信に対する相手の反応や行動は、ホームページの訪問者数や閲覧履歴などを見ることである程度推測することができます。このような推測に必要な数値を計測できるツールを使いながら、情報発信の方法や内容を改善していくことで、相手に効果的に伝えていくことができるようになります。 

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Zoho Oneには顧客管理のCRMとメール配信の配信結果が確認できるCampaigns、ホームページへの訪問者や行動を把握できるSalesIQなど、情報発信と数値計測やデータ分析に必要なツールが揃っています。これらのツールを連携させて使うことで、確実な成果につなげられます。


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